当社が設立した米国Wave Life Sciences社の肥満症治療薬

 みなさん、こんにちは。IR広報統括部長の岩田です。日本経済新聞にはほぼ毎週のように肥満症治療薬が記事となっており、医薬品分野で現在、世界でもっとも注目されている分野です。

当社がハーバード大学と東京大学の教授らの技術を基に創業株主として設立し、201511月に米国ナスダック市場への上場を経て、現在は当社の重要投資先となっているWave Life SciencesNasdaqWVE)は、核酸医薬のスペシャリティ企業です。Wave社は、昨年の928日のR&D DaysiRNAという核酸を用いて肥満症治療薬の開発を行っていることを初めて開示しましたが、今年36日に実施した2023年度の決算説明会ではその進捗を説明して株価が上昇しています。

現在、大きく売り上げを伸ばしている肥満治療薬や治療薬候補はいずれもGLP-1受容体作動薬と言われるものですが、Wave社の肥満治療薬候補物質はINHBE遺伝子を不活性化するsiRNAであり、ターゲットや作用メカニズムがまったく異なっています。筋肉量の減少を伴わない体重減少を特徴としており、投与も6か月に1回または1年に1回と既存薬と比べて大幅に投与回数を減らせる方向で開発が進められています。臨床試験開始は2025年第1四半期(1月‐3月)を予定と発表されました。

現在は重要投資先(当社持株比率9.5%)ですが、新日本科学が設立したバイオベンチャーが世界的に注目度の高い肥満症治療薬の分野において、有望な候補品をもって開発競争に加わっていることを誇りに思います。