みなさん、こんにちは。IR広報統括部長の岩田です。1月18日(木)の10時20分に、「Satsuma社の経鼻偏頭痛薬STS101の新薬承認申請に対する米国FDAからの審査完了報告通知(CRL)受領のお知らせ」を発表しました。
CRL(Complete Response Letter)とは、米国食品医薬品局(FDA)が承認申請の審査が完了した時点で、現在の申請内容では承認できないと判断した場合に発行されるものです。
指摘事項として、承認できないと判断した理由とそれに対処するための推奨事項が書かれています。ですので、FDAからの指摘事項の内容が申請した製薬企業の能力で解決可能な内容かどうかによって再申請が可能か、再申請までにどれくらい時間がかかるかが決まってきます。
Satsuma社が受領した指摘事項の詳細はお伝えできませんが、1月18日のプレスリリースに記載されているように「STS101の臨床試験結果に関連した懸念は表明されず、追加の臨床試験も求められませんでした」という箇所が重要なポイントです。臨床試験の根幹にあたるところに問題があると指摘されたならば、それを解決し再承認するには膨大な時間とお金がかかることになります。
今回の指摘事項については、「主として製剤関連(CMC)についての追加の指摘事項がありました」と説明があります。昨日、CMCの意味が分からない、一般投資家にもわかるように説明してほしいとの依頼がありましたが、CMCとはChemistry, Manufacturing and Controlの略称であり、製剤の化学、製造および品質の保証・管理という意味です。製剤の製造過程における品質保証のプロセスなどいくつかのデータの提出を求められたとご理解ください。
プレスリリースに記載があるように、今後、Satsuma社では米国FDAと早期に協議のうえ、本剤の新薬承認の再申請を検討してまいります。永田社長は『我々は、FDAと連携し、FDAのフィードバックを迅速に解決し、米国の患者さんにSTS101をできるだけ早く届けるために全力を尽くしてまいります』とコメントしています。
私は今回、承認が得られると考えていましたので、とても驚き、残念に思いましたが、FDAから承認されなかった理由が明記してあるレポートが届き、それらを解決すれば承認されるということがわかったことは大きな前進と前向きにとらえています。